従来の体積測定における課題
従来の体積測定技術、特にLiDARは、対象物の材質や表面特性(光透過性、高散乱性、低反射性など) により適用が困難な場合があります。また、SfM (Structure from Motion) 技術は、測定距離や 対象範囲に制約があり、広大な対象物に対してはドローン等の特殊機材が必要となり、それに伴い専門的な 技術が必要となるケースがあります。
本ソリューションの特長
-
汎用的なデータ取得
特殊な計測機器を必要とせず、対象物へ基準点(マーカー)を設置し、スマートフォン等で撮影した動画データから体積推定が可能です。
-
多様な材質への適応性
以下の材質など、LiDARの適用が困難な対象物の体積推定に有効です。
-
鏡面反射物(金属等)
-
高散乱性物質(セメント、石灰、カレット、砂利等)
-
低反射性物質(タイヤ、黒土、炭等)
-
-
広範囲・遠距離測定
SfMと比較して、測定距離や対象範囲による精度低下を抑制し、ドローン等の特殊機材なしでも広範囲な領域に適用可能です。
-
効率的な運用
大規模な測量や専門知識を必要とせず、時間とコストの削減に貢献します。
体積推定プロセス
本ソリューションでは、AIによる深度推定技術を活用し、以下の手順で動画から体積を推定します。
-
1.基準点となるマーカーを設置
測定対象の堆積物や物体の周囲に、基準となるマーカーを数箇所設置します。
-
2.動画を撮影
スマートフォン等のカメラで、対象物の を正面を中心に様々な角度から捉えるように動画を撮影します。
-
3.アプリケーションへ入力と領域指定
撮影した動画を専用のアプリケーションに入力後、画面上で体積を測定したい堆積物や物体の一部を指定します。 AIが深度情報を解析し、マーカーの基準点に基づいて体積を算出します。
デモンストレーション:砂糖を用いた体積推定
100mlの砂糖の堆積物を対象にデモンストレーションを実施しました。マーカーを2個所に設置した砂糖の堆積物をiPhoneで 正面から撮影したビデオを入力した結果、体積推定を実現できることを確認いたしました。
水平画像に基づく高精度化
ビデオ映像からマーカーを認識し、カメラの姿勢を算出することで、堆積物を水平に近い角度から捉えた画像のみを体積推定に 用いることが可能です。これにより、誤差を低減し、より正確な測定値を実現します。
適用事例
LiDARが苦手な対象に:材質を選ばない在庫管理・体積管理
リサイクル業におけるカレットやアクリルスクラップ、建設業における土砂・セメントなど、材質特性により従来のLiDAR計測が 困難な対象にご活用ください
広範囲を気軽に測定:ドローン不要、コストと手間を削減
数十メートル規模の堆積物の測量では、通常ドローンなどの特殊機材と専門知識が必要となります。手軽な操作で広範囲の体積を 把握したい場合に本技術をご活用ください。
導入の流れ
お問い合わせ
お客様の課題・問題をヒアリングさせて頂き、費用対効果を含めて最適なプランをご提案させていただきます。
他、「導入方法について聞きたい」「自社事業に利用できるか相談したい」など、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。