魚の種類・サイズの自動解析

漁場における水揚げ作業の負担軽減を想定し、撮影した写真から魚種を自動で区別、大きさを自動計測するソフトウェアを開発しました。

本記事の目的

恒常的な人手不足という問題を抱える漁業界において、デジタル技術を利用した課題解決のアイディアは様々あります。

弊社では数あるアイディアのうち、魚の選別作業にデジタル技術を応用することを想定し、魚を種類・サイズごとに自動で解析するソフトウェアのデモを開発しました。

実際に現場に導入することを考えた場合、ベルトコンベア装置と組み合わせた総合的なシステム開発を行う必要がありますが、この記事ではまず、魚の選別作業にデジタル技術(AI)を適用した、作業自動化の実現可能性について、具体的にイメージいただくため、本デモをご用意しました。

簡易デモ

魚種・サイズの自動解析について簡単にお試しいただけるデモをご用意しました。

"魚種選択"欄にある4つの魚種から選択すると、魚種及びサイズ解析を行った結果を表示します。


※本デモでは事前に入手した 海外の魚種データをもとにAIを学習したもの です。そのため、一部魚種については日本では多く見られないものもありますが、この点は 学習するデータを日本の魚のものにすることによって、解析が可能 になります。

※表示するサイズについては正確性を期す場合、実際に利用するカメラの性能や、現場環境を考慮する必要があります。本ソフトウェアはあくまでデモバージョンであるため、表示される数値はおおよその数値です。

※本デモは高スペックのデスクトップPCを想定しており、スマートフォンや低スペックのパソコンでは実行できない場合があります。

デモ

ローディング中...

AIモデルをローディング中...

※最大で20~30秒かかります

画像を選択すると処理が開始
ここに結果が表示されます

処理中...

処理中...

AI解析の解説

AIによる解析がどのように行われているかについて、詳細に説明いたします。

1番目の写真は、もともとの解析対象とする魚が写った画像。2番目の画像は1番目の画像に対してAI解析を行った結果と、それぞれの出力項目です。これら4つの項目の詳細は下記のとおりです。

①AIが識別した魚種名

AIは事前に学習した複数の種類の魚のうち、 この写真に写っている魚がどの種類であるかを識別 します。この例の場合、解析対象の魚がマアジであるとAIは判断しています。

②識別精度

①では魚の種類をAIが判別していますが、その際に AIがどれほどの自信を持っているか(どのくらいの確率で①が正しいか)、を示す値 です。0〜100%の間の数値が示され、値が高いほどAIの出力結果が正しい確率が高いものと捉えます。

③AIが測定した魚に該当する部分、領域

今回のデモAIでは、ただ魚を識別するだけではなく、 写真のうち、実際にどこからどこまでが魚が写っている部分であるか についても解析を行います。魚の面積と捉えることができますが、この数値を使って 魚の大きさや重さについて、大まかに計算を行うことも可能 と考えられます。

また、この情報を利用し、 魚の形状(細長か、横幅が広いか等)や向き(頭がどちらを向いているか等)についても解析 を行うことができることも一つの応用例と言えます。

④AIが測定した魚の長さ

魚の全長がどれくらいか、について解析を行った結果 を表示しています。現場の状況(カメラの性能や、魚とカメラの距離感など)によって大きく精度は異なるため、このデモにおける数値はあくまで参考値です。他方、現場の状況を正しくAIにインプットしてやると、高い精度で魚の全長を測定することができるとも言えます。

技術の可能性について

AIを利用したソフトウェアにおいては、デモで示したとおり、事前にデータを集めることさえできれば、魚種の判別や大きさの測定を、比較的高い精度で達成することが可能と考えています。

また、上記以外のAIの応用範囲の例として、下記のようなものが考えられます。

魚の大きさ、面積を測定し、おおよその重量を予測

それぞれの種類の魚が何尾分類されたか、カウント

魚の異常、病気を感知し、分類

まとめ

弊社にてはこれまで、動画から魚の病気を自動検知、通知するシステムの開発など、画像・動画を中心とした開発を多く手掛けています。

上記にて提示した方法以外での活用案やご要望についてのご提案・ご相談など、弊社にては実際のお客様のご要望・ご状況の詳細について一からご相談にのり、適切なソリューションの提供に努めております。

ご質問・ご要望につきましてはお問い合わせからお気軽にご相談くださいませ。