注目が高まるオンライントレーニング・フィットネス

感染症対策のため、直接会場へ出向かなくても自宅で体を動かすことができる、ジムやヨガスタジオのオンライントレーニング・オンラインフィットネスが注目を集めています。
感染症のクラスターの発生もあり、国内の様々な地域でジムやヨガスタジオは営業規制の対象となりました。規制が段階的に緩和された後も客足が鈍り、営業休止せざるを得ない状況となっている店舗も存在しているのが実情です。

DVDやインターネットで配信されている動画を参考にしながら自宅で体を動かすことは今や当たり前になっていますが、フォームが本当に正しいかどうか自分では判断できず、また間違ったフォームは体を痛めることににつながってしまいます。
オンラインで直接トレーナーに教えてもらうライブトレーニング・ライブレッスンのサービスを開始した大手ジムなどもありますが、こちらは動画を見ながら行うトレーニングで、フィットネスと違い好きな時間に開始できるわけではなく、また集団で行うケースも多いため、気軽さに欠けます。

そこでオンライントレーニング・オンラインフィットネスにAIによる動態解析技術を取り入れることで、ユーザーが好きな時間に適切なアドバイスを受けられるリモート・トレーニングやリモート・レッスンが提供可能となります。

AIが解決できること

「動態解析」とは、人物の顔・手・足などの動きをそれぞれパーツ別に読み取り、その動きと学習させたデータを照合、分析して時間経過に伴う変化を捉える技術です。

例えば動態解析技術を活用することで、上記のようにプロゴルファーのスイング映像と生徒のスイング映像を比較し、生徒のスイングにおけるフォームやスピードなどの違いを可視化することができます。違いが分かれば、どうすれば正しいのか、それに近づけることができるのかをアドバイスすることが可能となります。
ゴルフに限らず、野球やサッカーなど幅広いスポーツのスクールやレッスン教室、トレーニング、フィットネス分野においてもリモート化や自動化に活用可能です。

個人だけでなく集団の動きを解析することもできるため、ダンスレッスンや体操教室などでも動態解析技術を活かすことができます。ピアノなどの楽器の演奏も、指の動きを解析することで適切なアドバイスをすることができるでしょう。

トレーニング・フィットネス分野で活用するAI

動態解析を行うにはまず事前にAIにプロの動きを学習させ、そしてカメラなどを利用しリアルタイムでユーザーの動きを分析・比較します。腕や足が適切な角度に曲げられているか、アクションのタイミングはずれていないか、顔は正しい向きを向いているかなど、体のそれぞれのパーツごとに動きを解析し、その場でプロの動きに近づけるためのアドバイスや課題の提示を行います。
またケガの予兆となる動きをAIに学習させておけば、ユーザーがそのような危険な動きを行った事前に警告することが可能です。

撮影した動きは動画としてユーザーに提供することでレッスン後も自分自身の動きを見直すことができ、「次はこうしよう」という計画が立てやすくなるのもユーザーにとってモチベーションアップにつながる大きな利点でしょう。
またユーザーがトレーニングやレッスンを行った際に取得したデータは事業者側も活用可能なため、どこでミスをしやすいのか・どこで中断しやすいのかなどを分析すればよりユーザーに寄り添った、精度の高いサービスの提供が可能になります。データを整体師・理学療法士などと共有し、活用することもできるでしょう。

トレーナーやコーチがいなくともレッスン可能な点も大きなメリットです。それにより、トレーナーやコーチからレッスンを受ける場合と対AIでレッスンを受ける場合（無人レッスン）、併用する場合などサービス提供価格にバリエーションをもたせられます。ユーザーに複数の選択肢を与えることができるので、契約率アップにもつながることが期待できます。

まとめ

トレーニング・フィットネス分野はただ動画を配信するだけでなく、利用者個人の身体や生活習慣に合わせて最適なトレーニング方法を提供するアプリや、フィットネス器具のようなコントローラーを使って自宅で運動できる家庭用ゲームにまで広がっています。急激に感染症予防に対する関心が高まっている今、今回ご紹介したAIを活用したオンライントレーニング・オンラインフィットネスはますます需要が高まると予測されるでしょう。

お客様のニーズに合わせた受託開発を専門としている弊社では、動態解析や人物・物体の認識、文字読み取りなど様々な用途に合わせて画像解析やAIを駆使したシステムをご提供してきました。もちろん、今回ご紹介したトレーニング・フィットネス分野で役立つAIシステムも提供可能です。
貴社の業務にAIをどのように活用できるか、弊社は企画からお手伝いいたします。まずは相談からで構いません。当サイト内のお問い合わせフォームもしくは電話番号より、お気軽にお問い合わせください。